お茶の知識

静岡県内の美味しい新茶の飲める時期

静岡新茶

毎年になりますが5月頃になると静岡県は大いににぎわいます。それもそのはず5月と言えば新茶の時期だからなのです。

生産量2位になってしまってもお茶大国に変わりなく、県民の多くはお茶に対し愛着とこだわりが非常に強いのです。

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特に静岡市内などでは新茶の時期ともなれば新茶をのせたトラックが町を行きかい、お茶のかおりが漂います。

トラックからお茶を卸す作業なども見受けられ、新茶の時期がやってきたと分かるのです。

静岡県の新茶の時期

本来新茶の美味しくなる時期というのは立春から数えて八十八夜と言われ、基本的には5月2日か1日になります。

ただ地域や栽培方法などによってお茶が一番おいしい時期(摘採期)は異なる為、お茶農家さんたちはそれを見極めてお茶を摘み取らなければならないのです。

なので4月下旬に出る新茶もあれば、5月中旬になって出る新茶もあるというわけです。

では静岡県内のお茶はどうなのでしょう?

静岡県は面積が広く東西に広がっており、なおかつ山間地でお茶を育てたりしている地域もある為、各地域によって新茶の時期が異なります。

そんな静岡県の各地域の新茶の時期を今回はお伝えしていきたいと思います。

(その年の天候状況によって左右されますのであくまでも標準的な時期をお伝えさせていただきます)

牧之原茶の新茶の時期 

牧之原台地で栽培されているお茶で今でこそ有名となった深蒸し茶の深蒸し製法が編み出された地でもあります。

深蒸し茶ならではの深いコクがあり逆に渋味や苦味が抑えられている為まろやかな味わいになっています。

牧之原台地は温暖な気候の為、他地域よりも早く摘採期を迎えます。

新茶の出頃は4月中旬と静岡県内でも早いお茶であります。

島田茶(川根茶、金谷茶)の新茶の時期

島田市は牧之原市に隣り合う縦に長い市であることから場所によって新茶の出る時期が随分違ってきます。

島田市には主に二つの茶栽培地が存在し一つは牧之原台地がある金谷茶、もう一つは日本有数の栽培地で日本五大銘茶にも数えられる川根茶です。

大井川西部に広がる金谷茶は牧之原台地を中心に育てられており深蒸し煎茶として仕上げられています。

一方川根茶は大井川上流域に位置する川根本町周辺で生産されているお茶で降水量が多く寒暖差が激しい地域でもあります。

こうした茶栽培に恵まれた環境から上質のお茶が出来上がるのです。金谷茶とは違い浅蒸し(普通蒸し)製法で作られている他、静岡県内の手もみ八流派の一つ「川根揉切流」という伝統製法で製品化されている物も多く非常に質の高い茶が上がっているのです。

こうした地域の差から金谷茶は時期としては速く4月下旬位から、また川根茶は山間地であることから日照時間が短いことから5月上旬から中旬と遅くなっています。

また島田茶の中で金谷の南東に位置する初倉地域などは新茶の時期が早く4月中旬ごろからとなっており、一言に島田茶と言っても地域によって新茶の時期が大きく異なるのです。

天竜茶の新茶の時期

静岡県浜松市の北側に位置する天竜区で生産されているお茶でありこの地域は土地のほとんどが美しい森林に囲まれており自然豊かな地であります。

また天竜川の清流と高地であるがゆえの昼夜の大きい寒暖差はおいしいお茶作りに適しております。

天竜茶の基本は浅蒸し(普通蒸し)煎茶であります。山地となる天竜地域では日照時間も短く霧も多く発生する為茶葉は柔らかく浅蒸し茶に向いているのです。

一般的に普通のお茶よりも高い高級なお茶として販売されていることが多いお茶ですがその味も格別とされており、すっきり爽やかな口当たりが特徴のお茶であります。

日照時間が短いことなどから収穫時期も遅く5月上旬から下旬となっております。

掛川茶の新茶の時期

掛川茶は1572年から栽培されている伝統あるお茶で平均気温や年間降水量などがお茶栽培で非常に恵まれた土地で育て煎る事から、上質なお茶が出来上がるのです。

深蒸し煎茶を主流としており、掛川市の市民がガンになりにくいというデータから特に人気になったお茶でもあります。

掛川茶はその気候の良さから、茶葉の摘採期も早く4月中旬から5月上旬に新茶が出回り始めます。

清水茶の新茶の時期

清水茶は現在の静岡県静岡市の清水区で栽培されているお茶で北は両河内(りょうごうち)南は日本平とお茶の栽培がされています。その他にも清水区の中部、小島(おじま)庵原(いはら)地域でも生産されています。

各地域に特色があり清水区のある地域は古くは「駿河の清見」と言われお茶の五大産地にも数えられていました。

中でも山間地で興津川から発生する霧などに覆われる上質の茶産地である両河内で生産されている「高嶺の香(たかねのはな)」は静岡茶市場、新茶初取引の機械製茶部門で40年以上連続で最高値をつけているまさに伝説のお茶である。

機械で製茶しているにもかかわらず、その茶葉は手もみで造られた茶の様に針の様にピンと伸びており味わいも最高級の物だということである。

また清水区ではまちこという桜の香りがする茶は清水の名物茶となっています。お茶から桜の香りがするのはこの茶葉に実際に桜の葉や明日葉などにも含まれている香気成分が含まれているからなのです。ちなみに「やぶきた」品種にはこの成分は含まれていません。

これらの個性ある茶葉が生産されている清水のお茶ですが主に山あいで造られているものが多く新茶は基本的に少し遅めで5月上旬から中旬ごろに新茶が売り出されます。

富士茶の新茶の時期

明治時代の初頭に富士と愛鷹両山の間にある原野を野村一郎が開墾し茶園を造成したことが富士茶の始まりと言われています。

富士茶は富士山の麓や愛鷹山の麓のミネラルが多分に含まれた肥沃な土壌で栽培されているのが特徴であります。

こうした条件の良い環境から様々な品種が生産されています。

富士茶の出回る時期は4月下旬~5月上旬となっています。

本山茶の新茶の時期

本山茶は静岡市の北に位置する地域のお茶で静岡でも代表的な品種であり日本五大銘茶の一つに掲げられています。

本山茶は安倍川、藁科川上流域で生産されているお茶を指し、自然環境にあふれる山間地で栽培されていることから寒暖差の高い地域性、良質な水質、日照時間の短さなど茶栽培に非常に適した地域となっています。

また本山茶と一言にいってもその中には静岡茶発祥の地である足久保茶や、藁科川に流域にある藁科茶、安倍川上流域の山あいにある玉川地区の玉川茶などの総称であります。

上品な飲み口とさわやかな茶の香り、口いっぱいに旨味が広がります。特に本山茶が持つ独特の香りは「山の香り」と言われています。主に浅蒸し(普通蒸し)煎茶で生産されています。

かつてはあの徳川家康も愛飲し、徳川幕府の「御用茶」として献上させていました。

上質な味わいは新茶ではより引き立っており特に香り非常に良いです。

同じ山間地でも川根茶よりも割と早く4月下旬から5月上旬に新茶が出回ります。

まとめ

新茶の味わいや香りは2番茶と比べるとやはり違い非常に優れています。

新茶はこの時期にしか手に入らないものなので是非ともその味わいを楽しんでもらいたいものである。

またこの記事に記した新茶の時期を参考にしていただき、飲みたい新茶を手に入れる事が出来たら幸いであります。