『茶事』や『茶会』といったお茶に関する集まりがあります。この2つの違いと、私が参加した茶会について紹介していきたいと思います。
目次!!
茶事と茶会違い
2つに共通して言えるのがお茶を楽しむという事です。
その上で『茶事』は、招かれた人をのみで行われる会で、懐石料理、抹茶の濃茶、薄茶をもてなす正式なお茶会です。時間も4時間程かかります。
普段頂いている抹茶が『薄茶』高級で濃いのが『濃茶』。点て方、器、温度なども違いますが、それはまたの機会に紹介させて頂きます。
正装しなくてはならない。
茶道を理解した人でないと参加することが出来ない。色々な作法があります。
私はお誘い頂いたことがないので、参加したことはありませんがいつか参加したいものです。
本来『茶会』とは茶事を指す言葉でしたが、明治時代に『大師会』という、多くの客を一同に招き、濃茶か薄茶のみもてなす『大寄せ』が開催されました。
この『大寄せ』が盛んになり、近年では大寄せ茶会の事を『茶会』と呼ぶようになりました。
なので茶事は礼儀作法が必要な正式なお茶会。
茶会は茶事の簡略的なもので、参加も簡単という事です。
茶会ルール
参加する茶会によるますが。茶道の心得が無い人が参加できる茶会なら特に厳格なルールは定められていないと思います。
室内か大会場かもチェックしておいた方がいいです。室内ですと、茶室が用意されていて座る席によって作法もあります。なので最初は大会場、多目的ホールなどで開催されているものに参加するのが良いでしょう。
私は特にルールが無いような所に好んで行きます。写真も撮りたいですし、長時間正座していたら、足が気になり、美味しいお茶も、美味しくいただけませんから。
初めてだったとしても『備えあれば患いなし』ですよね。必要最低限のマナーを学んでおきましょう。
最低限これだけは心得て行こう!
【服装】お茶を点ててくださる先生は着物を着ています。失礼(短パン、サンダル、帽子、サングラスなど)のないような服装にしましょう。軽装で大丈夫です。
【持ち物】扇子(せんす)、懐紙(かいし・ふとごろかみ)、楊枝(ようじ)。
扇子が必要な場合挨拶が必要な状況、茶室である事
流派によって違いはあるのですが、茶道の世界では、膝の前に扇子を置くことが作法としてあります、扇子を自分の前に置くことで相手への敬いの念を表すという使い方をします。また、 座って挨拶をするときに、胸元から畳んだ状態の扇子を自らの膝前に置き、それを境にするように相手に礼を行います。これは扇子に自他の「境」をつくる結界としての役割をもたせたものです。
懐紙は用意しておいた方が良いでしょう。懐紙とは二つ折りの和紙です。茶会ではお茶を頂く前に、お菓子を頂けるのでが、これも流派によって違いますが、懐紙を取り皿にします、楊枝で食べ、懐紙で包み持ち帰ります。ゴミは残しません。
楊枝はお菓子を食べやすいものを用意しましょう。
懐紙は男性用、女性用があります。懐紙入れといった粋なものもあります。懐紙は色々な場面で使います。ナプキン替わり、メモ取る時など。
何も用意しなくて良い茶会もありますが、『懐紙』『楊枝』は万が一を考え持っていくようにしましょう。備えあれば患いなしです。
ふじのくに各流大茶会
ここからは私が体験した茶会のお話をさせて頂きます。
大変良い経験ができましたので、是非最後まで読んでいって下さい。
この茶会では4日間に3席用意され日替わりで先生が変わるといったシステムでした。
6月10日 | 6月11日 | 6月12日 | 6月13日 | |
本席 | 表千家 | 表千家 | 裏千家 | 江戸千家 |
立札席 | 清風流(煎茶) | 黄檗弘風流(煎茶) | 皇風煎茶禮式 | 裏千家 |
野点席 | 裏千家 | 清風流(煎茶) | 宗徧流 | 小笠原流 |
私が参加したのは12日です。
会場・日時・値段
【主催】 ふじのくに各流大茶会実行委員会
【会場】 ふじのくに茶の都ミュージアム
【日時】 2021年6月10日~13日の4日間(来年の日時は分かりません)
【料金】 各席800円(前売り券あります)
前売り券は多少安く購入できる様ですが、私購入できませんでした。
茶会体験談
私は、野点席、立札席に参加させて頂きました。・・・扇子を持って行かなかった為、本席には参加しませんでした。必要はないようでしたが本席には綺麗な着物を着た方が多く向かって行きましたので、恥ずかしくなりました。会場内には着物を着た方が多く、目の保養になりました。色鮮やかな着物は見ているだけ楽しめます。私は軽装で参加しました。
野点席 宗徧流(そうへんりゅう)
本来は野点とは野外でお茶を楽しむ事ですが、疑似的に野点を表現していました。
お茶は、『抹茶・羽衣の白』甘み、苦みのバランスが非常良く上品な味わいでした。
点てて頂いた抹茶が注がれていた器も良かった。京焼で加藤広明作でした。
お菓子は二品、『雲隠れ』『二人静』。
『雲隠れ』は新潟県米納津屋の銘菓、卵白に寒天と氷砂糖を白色霙を雲に見立てた菓子です。
回りは氷砂糖で覆われ中はふっくらした仕上がりになっており甘味も抑えてあります。
『二人静』は愛知県名古屋市の老舗両口屋是清の銘菓、紅白一対の徳島県産和三盆を用いた干菓子です。名前の由来は能の二人静からきています。
和三盆の上品な甘みが口に広がるが、後引かない甘み。抹茶との相性も非常に良かった。和三盆とは砂糖の一種で和菓子や和食で使用されることが多い高級砂糖。
立札席 皇風煎茶禮式(こうふうせんちゃれいしき)
立札席とは気軽にお菓子と抹茶で一服できる椅子席の茶席です。
コの字型にテーブルが並べられており12席設けられていました。
茶器の種類が非常に多くどれも美しいです、見ているだけで楽しめます。正直どれをどうやって使うのかは見ててもわかりませんでした。
お茶は『煎茶・山の香り』うま味が非常に強い煎茶でした。何も言われず頂いたら玉露かと思うくらいでした。
お菓子は『清流の恵み』というもので、鯉をデザインした黄色い練り切りで、うま味の強いお茶との合わせはさすが!と思うものでした。
最後に
今回の茶会は非常に良い時間を過ごせました。
私は扇子を持って行かず、本席には参加しなかったのですが、無くても参加できます。でも回りを見て皆さん持っていたら、少々縮こまってしまいますよね。気軽に参加できる会でしたが、やはり必要最低限の持ち物は持って行った方が良いでしょう。
皆さんもかしこまらず、参加してみてください。新しい発見やお茶のすばらしさなど再認識できます。