お茶の知識

お茶生産量ランキング!お茶王国静岡陥落か!?

お茶ランキング

静岡県在住、日本茶アドバイザーのタカハシ テツヤと申します。

茶園は年々減り、生産量も減少傾向ですが、その中で長年お茶生産量1位の静岡が今一位の座を追われています。

2020年摘採面積、生茶葉収穫量及び荒茶生産量は前年比べ15%減少。

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お茶の有名な産地として

  • お茶大国静岡県の『掛川茶』『本山茶』『川根茶』『天竜茶』など
  • 鹿児島県の知覧茶
  • 三重県の伊勢茶
  • 京都府の宇治茶
  • 福岡県の八女茶

などありますが、どの地域のお茶の生産量が多いのか見ていきましょう。・・・その前に、お茶の産出額について少し触れておきましょう。

お茶産出額ランキング

2021年3月に発表された2019年度お茶産出額の統計で静岡県251億円、鹿児島252億円となり、過去50年一度も一位の座を渡したことなかった産出額が抜かれてしまった。

ペットボトル茶の普及により、高級な品質の高いリーフ茶の価格の下落が年々続いている事による産出額の減少やそれに伴い茶農家の廃業などもあり静岡県は産出額が下落傾向。

私は、どこのお茶も本当に大好きですが、なんでしょう静岡が1位でなくなったことに悲しみを感じます。身近に静岡の茶園を感じているからでしょうか。鹿児島も努力の末の一位だと思いますが・・・・「悔しいです!」

今回抜かれてしまったのは産出額です。生産量はどの様になっているのでしょう。

お茶生産量ランキング

2020年全体の荒茶生産量は69800tでした。その年に何t生産し全体の何%かを記載しました。

生産量(t)全体(%)
1位静岡県2520036.1
2位鹿児島県2390034.2
3位三重県50807.3
4位宮崎県30604.4
5位京都府23603.4
6位福岡県16002.3
(参考:農林水産省、農林水産統計)

静岡県と鹿児島県で全体の70%の生産量です。この鹿児島県との差が年々縮まってきています。

生産量 過去

荒茶生産量

全体の生産量が減っているのにも関わらず、鹿児島県は生産量を増やしています。産出額に続き抜かれてしまいそうな勢いです。

静岡に打つ手はないのか?

なぜ?静岡は減り鹿児島は増えているのか

ここまで読んでいくと疑問が出てきますよね。なぜお茶大国の静岡の生産量が減っているのにも関わらず、鹿児島のお茶の生産量が増えているのか。

ここでは静岡と鹿児島の違いや鹿児島が生産量を増やせている理由を私見を交え解説します。

鹿児島と静岡の茶畑の違い

足久保 だんだん茶畑
(足久保 だんだん茶畑)

鹿児島県は広大な平地に茶畑を作ることで大型機械での採取が可能。静岡県は中山間地の斜面に段々畑で人の手で摘取(てきさい)している所も多い、静岡県の中山間地の5割が傾斜度15度以上で大型機械の搬入が難しい。また茶園は小規模なところが多く高齢化により、人の手が足りなくなっている。

鹿児島は効率的に採取できる土地と技術を持っているという事なのだろう。

摘採実面積(ha)荒茶生産量(t)
静岡県1520025200
鹿児島県836023900
(参考:農林水産・茶をめぐる情勢・令和3年6月)

※「摘採実面積」とは、茶を栽培している面積のうち、収穫を目的として茶葉の摘取りが行われた面積

茶農家の現状

年々茶農家が減っています。鹿児島も例外なく減っています。しかし鹿児島は生産量、売り上げ共に上げています。これには企業の台頭とペットボトルのお茶があるでしょう。

ペットボトルのお茶にも、もちろん茶葉が使用されています。

伊藤園などの大企業は茶園と契約する他、自社で茶葉を作っています。

静岡県は段々畑が多く傾斜がきつく、機械を使えない場所も多くあります。茶園も高齢化で手が足りなくなっています。

私現在39歳ですが茶摘み経験を幾度かしていますが、重労働です。それを高齢の方が広い茶園を機械も使えず全てを手で摘まなくてはならないと考えると、頭が下がります。実際他の畑作業と比べても大変だと思います。

優良な茶園が荒廃地とならぬよう、農林水産省農が茶園に対し、大根や白ネギへの移行する事に対する支援もしています。

最後に

蔵屋鳴沢茶積み体験

産出額がどうとか、生産量がどうとかではなく、日本の『リーフ茶』の現状が明るい訳で無いことがよくわかりました。

本当にお茶が好きな私ですが、私に出来る事など限られてくるでしょうが何かしなければなりません、毎日お茶を飲むことを今後も継続することと、来年の茶摘みシーズンにはボランティアに参加しようと思います。

茶摘みにはよく参加するのですが、それはお金を払って、あくまでお客様として参加していました、ある時茶園の人からボランティアのお誘いがありました。聞いてみると、茶摘みのシーズンに2週間程かけて茶園を回るとの事。

仕事の関係もあって、参加できなかったのですが、来年は少しでも時間を作って、少しでも茶園の人の力になりたいたい!と思います。

この記事を最後まで読んでくれた貴方。明日から美味しいリーフ茶を継続的に飲みましょう。

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